消化器の病気

胃や腸など、赤ちゃんの消化器の機能や形態は大人に比べてまだ未熟です。生後3?4ヵ月ごろまではでんぷんの吸収が悪く、2?3歳ごろまではタンパク質や脂質を分解する能力も不十分です。また、赤ちゃんの胃は縦長の筒のような形をしている上、胃の入り口の筋肉の収縮が未熟なので、おっぱいや、ミルクを吐きやすいという特徴があります。
さらに胃の粘膜が敏感なため、ウイルスや細菌の感染によって下痢をしやすい傾向があります。日ごろから赤ちゃんの様子やうんちの状態などをよく観察し、異常があったときは早めに医師の診察を受けましょう。

 

  • 乳児下痢症(ウイルス性胃腸炎)・・・ロタウイルスなどの感染により下痢や嘔吐を起こします
  • 細菌性胃腸炎・・・細菌の種類によって症状に違いがあります。嘔吐、下痢に注意
  • 虫垂炎・・・赤ちゃんは症状が現れにくく、発見が遅れることもあります
  • 肛門裂・・・かたいうんちが原因で肛門が傷ついたり、潰瘍になったりします
  • 腸重積症・・・腸の一部がもぐりこみ、激しい痛みや嘔吐を繰り返します
  • 臍ヘルニア・・・おなかに力が入ったときに飛び出すこともあります
  • 腸閉塞・・・腸がふさがった状態。放置すると腹膜炎を起こす可能性も
  • 肥厚性幽門狭窄症・・・おっぱいやミルクが十二指腸から逆流して噴水のように嘔吐します
  • 肛門周囲膿瘍・・・肛門周囲にできた膿瘍。直腸からの細菌感染が原因です
  • 胃食道逆流症・・・噴門部の未熟さが原因。おっぱいやミルクをダラダラ吐きます
  • 生理的黄疸・・・新生児期の黄疸のほとんどは生理的なもの。心配ありません
  • 胆道閉鎖症・・・白いうんちが特徴的。発見が遅ければ危険な状態になることも
  • ヒルシュスプルング病(巨大結腸症)・・・先天的にうんちを体外に送り出せず、便秘などになります。

消化器の病気-赤ちゃん病気辞典-記事一覧

<どんな病気?>乳児下痢症(ウイルス性胃腸炎)とはウイルスなどの病原体が胃腸に感染して起こる病気です。原因となるウイルスには、ロタウイルス、小型球形ウイルス(ノロウイルス)、アデノウイルスなどがあり、中でも多いのがロタウイルスによるものです。嘔吐、下痢、発熱などの症状から始まります。下痢は水様性のツブツブが混じった消化不良便で、血液が混じることもあります。ロタウイルス感染の場合は、すっ...

<どんな病気?>主に細菌に汚染された食べ物から感染して起こる胃腸炎で、細菌性食中毒とも呼ばれています。食後に激しい下痢や嘔吐、腹痛が起こったとき、家族にも同様の症状が起こったとき、ときに血便が見られたときは、細菌性胃腸炎の可能性は高くなります。原因となる細菌には多くの種類があり、症状の現われ方や程度も異なります。<治療>腹直筋という筋肉の発達とともに、ほとんどは生後1年ごろ...

<どんな病気?>一般に盲腸炎といわれるもので、盲腸の先にある虫垂が細菌感染などによって炎症を起こす病気です。赤ちゃんにはあまり見られませんが、うんちが詰まって発症する場合があります。腹痛とともに37度台の微熱が出て、嘔吐があり、下痢や便秘を伴うこともあります。赤ちゃんの場合、腹部の痛みや筋肉の緊張がはっきりしないため、発見が遅れることがあるので注意しましょう。虫垂炎が進行すると、腹部に...

<どんな病気?>肛門裂とは硬い便が肛門を通ったときに肛門に傷がつき、裂傷や潰瘍ができる病気です。排便のときに痛がったり、少量の出血があったり、便の表面に血液がつくこともあります。おっぱいやミルクだけを飲んでいるうちは柔らかい便でも、離乳食が進むにつれて、だんだんかたくなるものです。とくに便秘がちの子はかたくなりやすいようです。<治療>便秘を防ぎ、うんちをかたくしないようにし...

<どんな病気?>腸の一部が同じ腸の中にもぐりこんでしまう病気が腸重積症です。それまで元気だった赤ちゃんの顔色が青白くなり、激しく泣き出します。痛みのため足をおなかにひきつけて泣いたり、嘔吐を伴う場合もあります。腸の動きが止まると痛みもなくなるため、10?30分間隔で火がついたように泣いたり、突然吐いたかと思うと、急に静かになるといった状態を繰り返します。そのうちに痛みの波が引いても泣き...

<どんな病気?>俗に言う「でべそ」のことで、腸管の一部が皮膚に覆われたままお臍から飛び出したものです。左右の腹筋は中央で合わさって腹壁を作っていますが、おへその部分は左右の筋肉が分かれて孔(臍輪)になっています。赤ちゃんによってはこの筋肉が未熟なため、泣いて腹圧が高まると、腹膜とともに腸が飛び出してしまいます。生後1ヶ月くらいからふくれてきますが、その大きさはさまざまです。<治療...

<どんな病気?>腸管がふさがり通過障害を起こす病気です。機械的腸閉塞と機能的腸閉塞に分けられます。機械的腸閉塞は先天性腸閉塞、異物を飲み込んで起こる内腔閉塞、腸管を外部から圧迫されたために起こる閉塞、腹部手術後に腸管が癒着して生じる閉塞、腫瘍や炎症による閉塞、血行障害を伴う腸重積症や腸軸捻転から生じる閉塞があります。機能的腸閉塞は腸管の麻痺や腸のぜん動運動の低下が原因で、鋭く激しい腹痛...

<どんな病気?>飲んだおっぱいやミルクが胃から十二指腸にうまく流れず、逆流して吐いてしまう病気です。胃の出口の十二指腸につながる幽門という部分の筋肉が異常に厚くなるために起こります。男の子に多く見られます。それまでおっぱいやミルクを飲んでいた赤ちゃんが生後2?4週間頃から授乳後に吐くようになります。最初はたまに口の中にあふれる程度だったのがしだいに回数が増え、飲んだ直後に噴水のように勢...

<どんな病気?>直腸内の細菌感染でできた膿が、膿の管を通って肛門付近の皮膚側に出てきたものです。下痢や便秘などが原因で直腸が傷つき、細菌に感染して起こります。膿瘍が皮膚の浅い部分にあるときは、肛門の周りが腫れ排便のときに痛がります。肛門の深い部分に膿瘍ができると発熱することもあります。<治療>軽い場合は抗生物質を服用して治療します。膿がたまってしまった場合は、切開して膿を取...

<どんな病気?>生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんに多く、授乳後ダラダラとおっぱいやミルクを吐きます。口から少しずつあふれる溢乳(いつにゅう)という吐き方が特徴的です。胃の入り口には噴門という部分があり、普段はここにある括約筋が胃の内容物の逆流を防ぐ働きをしていますが、この括約筋がうまく働かないと吐きやすくなります。また、赤ちゃんの胃の形も原因のひとつです。大人の胃はくびれがあるそら豆のよ...

<どんな病気?>ほとんどの新生児は、生後2?3日ごろから一時的に皮膚が黄色みを帯びてきます。これを新生児黄疸といいます。胎児の頃はママの血液からもらった酸素を有効に取り込むために、血液中の赤血球の割合が多いのですが、出生後、自分で呼吸をするようになると赤血球は胎内にいた頃よりも少なくて済むため、余分な赤血球は破壊されてビリルビンとなり排泄されます。ところが生まれたばかりの赤ちゃんの肝臓...

<どんな病気?>肝臓から腸に胆汁を送る管のことを胆道といいます。この胆道が生まれてしばらくしてからふさがってしまうため、胆汁が十二指腸まで流れず、肝臓にたまってしまう病気です。新生児の生理的黄疸の時期(生後2週間くらい)を過ぎても黄疸が軽くならず、生後1ヶ月前後に緑がかった黄疸が目立ってきます。また、便の色が薄くなり、クリーム色から白色になります。通常、便の色は黄色?茶色ですが、胆道が...

<どんな病気?>生まれつき、肛門から近い腸壁に神経節細胞が無いために起こる病気です。男の子に多く見られます。口から入った食べ物は食道、胃を通って小腸に入り、消化吸収が行われたのち大腸に送られます。そして、大腸の中を移動しながら水分が吸収されて便に変わります。便はS字結腸を通って直腸に運ばれ、肛門から排泄されます。ところがこの病気では腸壁にある神経節細胞が一部の腸で欠けているため、腸管の...